苦しみを見守る

1学期の終わり頃、担任の先生から、「今週は、ひどく疲れているように見えた。」と言われた。

夜、大丈夫なのかどうか、聞いてみた。すると、

「今までは心が悲しくても顔は笑っていたんだけど、それも疲れてきたら、今週からは、心のとおりの顔をすることに決めたんだ・・」と言う。

そういえば、この前、こんなことを言っていた。

「疲れることある?」と聞くと、
「日々、つらいこともある。」と言うので、
「つらいときは向上しているときで、今は階段を上っているから疲れるんだよ。一番つらいときは、一番階段を上る寸前のところだから疲れるけど、上れるとラクになれるから」と話したら、

「でも、お母さん、本当に階段を上っているときは、休むことができるけど、僕はいつ休めるの?」と言っていた。

小さいのに、こんなに苦しんで、しなくてもいい苦しみを与えてしまって、連れてきてしまって、ごめんね、、という気持ちだった。

でも、きっと、きっと、この苦しみは何かを彼の中に残すはず。
きっと、いつか、自信となるはず。

もう十分、がんばっている彼に「がんばれ!」とは言えなかった。
「大丈夫だから」「ありのままの自分でいいんだよ」と言うしかできなかった。




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